Creator's File 上園緑地建設株式会社 青野雅樹の仕事

上園緑地建設株式会社 青野雅樹
上園緑地建設株式会社 青野雅樹 MASAKI AONO

2011年、修成建設専門学校ガーデンデザイン学科を卒業後、上園緑地建設株式会社に入社。入社後は設計部に配属となり外構工事の設計に従事。2014年より工事部に配属、マンションや個人宅の庭の植栽管理の現場にて施工管理を行う。自治体が発注する植栽の維持工事・補植工事や、公共工事の入札ソフトによる積算も担当。

造園に興味を持ったのは、高校時代に陸上ホッケー部の大会で長崎に行ったときのこと。開会式の会場だったハウステンボスの壮大な美しさに感動し、自分もこんな場所をつくれる仕事に就きたいと考えました。
そこで造園・植栽を学べる学校を探したところ、修成のことを知り、さっそく説明会に。そこで自分のやりたいこととぴったりの学校だと感じ、受験を決めました。さらにもう一つ、現在も学科長を務めておられる中安先生との出会いが大きなポイントになりました。業界大手の企業で現場監督として長年活躍しておられたそのキャリアと実績、そして気さくな人柄に憧れを抱き、この先生から学びたいと強く思ったことを覚えています。

修成での学生時代では、やはり実習が印象に残っています。クラスメイトと同じものづくりに携わり、少人数だったクラスの結束力がより高まりました。現在の仕事でもチームワークが重要なので、相手との関係性づくりに役立っていますね。当時は現在より実習が少なかったのですが、やはり実際に体験してみることは学ぶうえで非常に大切だと思います。私は修成に入学するまで樹木の名前をほとんど知りませんでしたが、野外授業で多くの樹木の名前や特性を覚えました。それも現在行っている街路樹の維持工事の中で、ダイレクトに生かせています。
私は主に外構工事と植栽工事を手がける会社で、マンションや個人宅の庭の整備の施工管理をしています。また、大阪市や守口市が発注する植栽の維持・補植工事、公共工事の入札ソフトによる積算も担当。協力会社との連携がうまく機能し工期内に完了したときや、近隣住民の方に「キレイになったね」などと声をかけていただくと、大変うれしいものです。

現在手がけているのは、大阪市住吉区と住之江区の街路樹のメンテナンス。1年かけて2エリア全体を施工管理しています。そもそも施工管理とは、現場の工程を組み、発注者・協力会社とのやりとり、現場の安全管理、工事全体の流れの把握や管理などをする仕事。この現場でも、役所から着手する場所の指示を受け、協力会社と連携して詳細なスケジュールを組んでいきます。積算の段階で工事の詳細が頭に入っているため、着工後のミスが減り、段取りよく工事を進められています。
植栽は長く残るものである一方、刻々と変化し続けていくもの。毎年管理を行う中で、さまざまな要望に対処しなければなりません。簡単なことではありませんが、木1本で人の生活環境を変えることができ、そこに大きなやりがいがある仕事だと思います。また、私はマンションや個人宅の庭の工事では受注から見積もり、職人の手配、管理まで一貫して担当しているので、お客様の声も現場の声も聞くことができ、スムーズな業務改善につなげられることにも喜びを感じています。
こうしたさまざまな現場を経験する中で、施工管理としての考え方のベースになっているのが、入社2年目に初めて現場を経験したときのこと。当時は設計部で外構の図面を描いていたので、何もわからない状態で現場に出て、上司につきっきりでサポートしてもらいました。多くのアドバイスをもらいましたが、特に印象に残っているのは「現場のメリハリ」です。打ち合わせや休憩時間は和やかでも、作業が始まれば業界での経歴や年齢に関わらず、職人に伝えるべきことはきちんと伝える。当たり前のことですが、しっかりけじめをつけたうえで、現場のモチベーションアップを行うのも施工管理の大きな役割。職人がどれだけ気持ちよく作業できるか、施工管理の技量はそういうところに現れるのだと感じました。それ以来、作業している一人ひとりとの関係構築を重視し、言うべきことは言いつつ、聞く姿勢も同じくらい大切にするという自分のスタイルができました。2014年からは工事部に配属となり、正式に施工管理がメインに。自分には現場が向いていると感じるので、この道をさらに究めていきたいと思っています。

最近、新築の外構工事で課題となっているのは、庭にかける予算が昔と比べて減ってきていること。土地が狭くなっていることや、維持費、害虫の問題など原因はいろいろあると思います。それでも、やはり緑は人の生活を潤わせるもの。今後は植栽する場所や目的に応じた樹種の剪定や、手入れの簡単さがいっそう重要になるのに加え、より生活する人々の目線に立った心配りが造園の可能性を広げていくことにつながるのではないでしょうか。
学生のみなさんには、まずは目標を持ってほしいですね。修成では基礎から専門性の高いことまで多彩な学びがあり、さまざまな経験をもつ先生がいます。目の前の学びが自分の目標にどうつながるのかを考えることができれば、とらえ方がグンと変わりますし、大変なことでも前向きに努力できます。それに、先生方からより具体的なアドバイスももらえるでしょう。学んだことは必ず自分の力になるので、頑張ってもらいたいです。
2025年は大阪での万国博覧会開催が決定し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックももうすぐ。インフラ整備には植栽も含まれるので、私も何かシンボルとなるような仕事に携わりたいと考えています。多くの現場で実践を重ね、今後に生かしていきたいです。

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